じんせいのあれこれ

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三浦九段の将棋問題について考えてみた

 

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  どうも、将棋と縁もゆかりもなく、好きでも嫌いでもないヤサカです。

 いやはや、最初からタイトル破壊にかかってますね。今日、ふとニュースを見ているとこんな記事がありました。 

headlines.yahoo.co.jp

  私自身、この事件をうわべだけしか知らず、ぼんやりと眺めていたというのがありましたが、新聞なども含めて情報を集めていると渡辺竜王の指摘だけで三浦九段を出場停止にした、みたいな書き方になっているので、調べて、自分なりにまとめてみました。まあ、将棋にかかわらず、あらゆる問題にかかわるような気もしますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

三浦九段の不正疑惑とは?

 まず、事の発端ですが、第29期竜王戦挑戦者決定三番勝負(将棋のタイトルトーナメントらしい)三浦九段がチャンピオンである渡辺竜王への挑戦権を獲得したのが始まりで、挑戦権獲得後、不正疑惑により、三浦九段の挑戦権がはく奪され、三浦九段に敗北した丸山九段が繰り上がり挑戦権を得ました。

 なぜそうなったかというと、三浦九段は2016年夏以降に対局中の離席が目立つという指摘が複数の棋士から指摘されました。三浦九段の話では、離席中はほかの部屋で休んでいた、とのこと。

 その離席がスマートフォンを使い、離席中に将棋ソフトを使ってカンニングをしていたのではないか、という疑惑になり、最終的には三浦九段は疑惑をかけられた状態では対局できない、としていたが、休場届が提出されなかったため、公式戦出場停止処分になったという流れである。

 その後、日本将棋連盟は第三者委員会を設けて三浦九段の不正について調査、三浦九段も自らのスマホに加えて家族のスマホも提出するという徹底ぶりで調査に臨み、最終調査結果は、電子機器を使用した形跡、離席の事実はなく、一致率は不正の根拠となりえず、という発表を出した。

 

mainichi.jp

 結果は上の通りで、不正疑惑をかけた渡辺竜王は陳謝、日本将棋連盟の会長、谷川浩司氏も責任を取り会長職を辞任するということになりました。めでたしめでたし、となったらここで書く意味ないですね。はい。

 

シロなのかクロなのか?

 上で書いたように第三者委員会でシロってされたんだろ?だったらシロだろ!と認めるのは私の主義的に反しています。ひねくれものですから、はい。

 調査結果が個人情報に抵触するという理由ですべてが公表されていないようですので、はっきりものが見えませんが、コンピュータを多少かじった人間ならばれにくい方法もいくつか思いつきます。スマホと家のPCを連動させないと将棋ソフトは使えない、とされていますが、自宅のPC以外(別の協力者を用意しその人の家に置く)を使えばその気になればできますし、通信量にしたって外部と軽い通信量で交信をする方法はいくつか考えられます。

 要するに、今回提出されたクロとする根拠は弱いが、他の部分を洗えば出てくる可能性があるため、シロであると断言しきれない。というのが、個人的な見解です。まあ、これ以上疑い始めても悪魔の証明(やっていないという証拠がないからクロ)という状態になってしまうので、この辺が手打ちですかね。

 あくまで問題なのは、三浦九段が不正をしたか、ではなく、不正を働けない状況をいかに作り出すかにあると思います。

 

不正について考える

 この問題を見ていて、ふと思い出したのは、金田一少年の事件簿の番外編でやっていた明智警視の事件簿でした。その中の一つに、チェスの不正にまつわる事件があり、それがコンピュータを使った不正でした。

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 盛大にネタバレを含むので閲覧注意ですが、あっ、見たい人は反転してください

  AIの対局結果を妻に出してもらい、試合場所から見える、自分が所有するホテルの窓ガラスに明かりで投影してもらってそれを見るという大胆な方法でした。これは当時スマホのようなものがないことに加えて、殺人事件を面白おかしくするためのものでしょうけど、当時からAIを使った不正は考えられ始めているのが分かります。

ja.mhatta.org  

 調べてみるとこういう記事もあり、昔から、比較的単純という理由で、コンピュータが人間に勝っていたチェスにおいては結構な割合、不正があるようです。このように、その気になれば機械を使った単独犯、チームで行う複数犯もあり、方法も複雑で、現場を抑えなければ犯行を立証できないことの方が多いです。今回の将棋不正問題のように指し手の一致率を見ての立証はほとんど無理なようですね。まあ、60%を超えたらいいのか、80%ならクロなのか、それとも99.89%一致しないと全部シロなのかはっきり言えませんからね。結構疑わしきは罰せよ、も行っている風なので、将棋連盟の対応もひどく悪いとは言えないとも思います。

 ここから見るに、この手のテーブルゲームでAIが人間を超え始め、かつ賞金がかかれば、不正の可能性はいくらでも発生するというのが結論です。つまり、今回の三浦九段の不正の有無も含めて、どこかで不正があっても不思議ではないということです。竜王戦の優勝賞金は4000万円ですから、多少の大掛かりな不正をしても勝つ、という人がいても不思議ではないのでは?

 

 また、スポーツの世界でも不正は跋扈しており、比較的新しいもので、ロシアの集団ドーピング疑惑や、私の記憶に移っているのはハンマー投げの室伏選手の繰り上げ金メダルですかね。

 このように金や名誉がかかる場面ではいくらでも不正は発生しえます。今回の問題の最大の焦点は何かと言えば、不正が発生する可能性を疑わず、何の対策も講じていない将棋連盟だと思います。将棋連盟と言えば、外部からの参加が難しい組織で、ある一定の年齢を超えるとプロ入りができないという、排他的組織です。そのおかげで不正を働くのも難しいという側面もあるのかもしれませんが、今後はこれを踏まえて如何に不正を防止するかを考えることが重要なのではないでしょうかね。

 性善説が正しいと身構え、将棋の精神に反する、と代弁するのは構いませんが、誰がいつ悪の道に身を落とすかわからないですからね、今後の時代は、本当の疑われるべきではない善を守る対策も必要なのではないでしょうか。 

 

総評

 どんな場面でもなんらかの金銭や名誉などの利益が絡む場面では不正が発生する場合はある、というのが私の結論です。不正という行為は、不正を働いていない人からすれば、最高に腹立つ行為で、特に競技制の高いスポーツやテーブルゲームの世界では最悪だと思います。競技参加者側が不正を働かないのはもちろんですが、主催者側は競技参加者側が如何に不正を働けず、誰も疑われずに済む環境づくりができるかが重要かと思いますね。そういう意味では今後将棋連盟には、不正が働けない仕組みづくりを整える必要性がありそうですね。

 

 さて、長々としてしまいましたが、今回はこんなところですかね。こういう自分と関係ない内容から話を広げるのは楽しいですが、難しいですね。今後もこういう興味があるようでないような話から内容を膨らませられるようにしていきたいですね。

 では、次回まで、さよなら!