じんせいのあれこれ

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ロシア・ウクライナ戦争のあれこれ

 

 完全に個人の考えを適当にまとめておくための記事なので、まあ備忘録くらいのものです。結構前から書いていたが、出すことなく終わっていたので古い情報もあります。悪しからず。

 

最初に

 最初に書いておくと、この戦争は有らん限りロシアが全責任を負うべきものであり、ウクライナの現状は非常に憂慮するべき状態だと書いておきます。ロシアが想像以上に愚かかつ蛮族国家であることは間違えないとここで断言しておきます。

 

防衛と侵攻

 よくロシアとウクライナの総兵力で戦争の評価をしている者がいるがそれは違う。ウクライナは祖国防衛戦のため、全兵力を投入できるのだが、ロシアは侵略をしているので全兵力をウクライナに向けることはできない。現にロシアは3割ほどの力で殴っているらしい。何故かというと、ロシアは地続きで沢山の国々と隣接しており、持ち前の戦力で周辺国家を黙らせていた、という背景がある。もし戦力を全てもしくは大部分をウクライナに投入をすると周辺国家からの反撃や国内の反政府組織が何かしらの行動を起こす可能性が高まるのでいたずらに戦力を投入できない。また、最悪のシナリオはクーデターによる政権転覆の可能性も否定できないので、プーチン自身に近い親衛隊は首都モスクワ近郊からは動かせなかったりする。

 ウクライナは祖国防衛戦になるので、全体的な士気が高く、戦争限界点は軍隊の壊滅により組織だった戦闘が出来ない状態になるか、西欧諸国からの軍事支援の打ち切り以外はほぼほぼないので、かなり長いこと戦争が出来る。一方のロシアは進行戦であり、経済制裁などの影響が出てくると厭戦感情が高まりやすい。また、軍隊を大量に失いと軍内の不満やその家族からの不満も溜まるので、力で抑えられている反面、どこまでやれるかは未知数である。確かに不満は力で抑えられるし、人は切羽詰まらなければ行動をしないが、飯が食えないと人は暴れる。それはまだ先であることは確かだが、そうはなりたくないと思う。因みにアメリカが長距離兵器を提供をしないのは、ロシア領内で被害が出始めると、ロシア国民から正当な指示を得られるし、攻撃されたとなると反撃をしなければならないので厭戦感情も高まりにくくなる。全面的な戦力投入と大義ウクライナ側に有るという状態を維持したいと考えている。

 ただし、防衛するウクライナ側は国内産業を攻撃されており、GDPが低下するのに対して、ロシアは国内へのダメージは経済制裁以外は無いので、国家の立て直しになるとウクライナが圧倒的に不利になる(ウクライナ復興には欧米諸国が支援をする)。

 

戦争の終結

 ロシアの戦略目標の当初はゼレンスキー大統領を下し、ロシアの息がかかった大統領を据えてのウクライナの親ロシア化(腐敗政権の復活)だったが、キエフを攻め落とすことはほぼ不可能(核を打ちまくれば取れるかもしれない)なので、東部の切り取りに切り替えている。

 現在のシナリオは東部を奪いドネツクルガンスク人民共和国を擁立して一旦戦争を停戦し、その後、クリミアと同様に軍隊が回復したら再び適当な理由を付けてウクライナに再侵攻を仕掛けることを目的としている。ウクライナ側は東部を奪われるとクリミアの二の舞になることが分かりきっているので、戦争開始時点までのラインに戻すことが最低目標になっている。また、アメリカも中国への抑止を考えると最低でもそこまでは戻すことが目標になっている。因みにウクライナの全面侵略を目標としていると頭の悪い主張もあるが、ロシア軍17万人でウクライナの4000万人を統治することは不可能なので、それはそもそも有り得ない。仮にやったとしてもパルチザン祭りになるので、かなりロシア軍は地獄を見ることになる。

 割と最悪のシナリオはロシアがぼろ負けして国が解体される、という状態である。こういう書き方をすると貴様ロシア派か、と思われるかもしれないが違う。ロシアが国家解体されると色々と都合が悪かったりする。

 一つ目はロシア保有の大量の核の行方をどうするかが問題になる。アメリカが一括管理、解体になればいいが国民感情的にそうはいかないだろう。そうなるとこの大量の核をどう処分するかという問題にもなるがそれ以上にテロリストや独裁国家などに渡るのが一番まずい。それらが核を利用して独立を企む、最悪のシナリオは実際に使ってしまう確率も否定できない。

 二つ目にロシア産武器を供給されている国家が困る。日本は西側の武器なので問題ないが、間接的な問題としてインド等はロシア武器なので、いきなりロシアが崩壊して装備が滞ると中国に対する抑止力として機能しにくくなる。後は周辺国家の治安が急速に悪化することになるので、その辺りもあまりおいしくない。

 因みに一番の理想はロシアが民主化して中国包囲網が更に強固になることだが、独裁国家の首脳陣は自分たちが甘い蜜を吸うことしか考えていないので、そういう利権を手放す行動はとらないと思う。そういう意味ではそのシナリオは絶望的である。

 

2023/1/21

 どうにもロシアもといプーチンの発言から見て全土の支配は最早到底かなわぬ夢(正確には傀儡政権の樹立)の状態になりつつあるので、取り敢えずドネツクの支配のみに留めているように感じる。ドネツクの全土支配後に防衛線を強固に引いてウクライナの反撃を撃退し、膠着状態に持ち込み停戦交渉をするのが現状のロシアの狙いのようだ。

 ウクライナに欧州製の戦車などの強力な兵器の供給が始められることが確定されたので、ロシアとしてはかなり苦しい展開になりつつある。ウクライナ側の機甲師団が機能し始めると防衛線を手厚く張れていない地域から奪還される可能性が高くなる。奪還地域が多いと現場の兵士の士気や国内の厭戦感情が高まるので、それだけは避けたいとは思う。更なる動員を既に準備をしているので、取り敢えず人を積み上げてウクライナが防衛線を抜きにくい状態を作ることに暫くは終始することになりそう。

 因みにプーチンが安全そうに見えるが、プーチン最悪のシナリオは国内感情の爆発から良くてプーチンの更迭、悪ければ暗殺・処刑からの和平交渉になる。要するに戦争を始めたのはプーチン一味が原因であり、ロシアは正常に戻ったので戦争を辞めます、という言い分での終戦である。暫くの間、経済制裁からの脱却などから弱体化は避けられないが、ダメージコントロールとしてはあり得る。西側兵器の更なる供与により勝ち目が無くなった場合にロシアの名誉を一番傷つけずに終戦に持っていけるので、割とあり得るシナリオかもしれない。

 

2023/5/9

 取り敢えずロシアの戦勝記念日でのバフムト陥落もなく、ロシアの短期的なドネツク州の完全制圧はほぼほぼ頓挫した模様。目新しい手法も兵器も無いようなのでウクライナの攻勢ターンまでほとんど動きが起こらないと考えられる。長期的に国力を消耗させてウクライナと支援国の力を削ぐか、核兵器の投入による攻勢以外では現状の打開はほぼ不可能な模様。

 逆にウクライナは今回の大規模攻勢で領土を大幅に奪還が出来なければ、ウクライナ国土の回復の目標に対して打つ手が無くなってくるので正念場ともいえる。一応はアメリカはF15の追加供与の可能性も考えてウクライナパイロットの養成をしているようなので、場合によっては戦闘機の供与も考えられる。

 

2023/9/4

 F16の正式な供与が決まり、当面の武器供与の限界点も決定した形。現在はロシアの第一防衛ラインを突破し、第二防衛ラインに到達している模様。ここを突破できると黒海までの道が開けるので、ウクライナ、ロシア共に正念場と言える。

 さて、西側だがついに戦闘機の供与になってしまったので、ここである程度話が進まないと厳しい展開。というのは次に供与するものが余りない。劣化ウラン弾や長距離ロケット弾なんかは供与対象だろうが、それ以外に目新しいものはない。これであまり戦果が無いと戦争の長期化が決定付くので西側としてはあまりおいしい状況ではない。

 

各国の状態

日本

 こういう書き方もどうだと思うのだが、今のウクライナ進行は日本にとっては経済面を考えなければ悪くない状態だと思う。理由はいくつかあるが、一つ目に中国が台湾進攻を暫くしないことがわかった。ロシアに便乗してオリンピックの後に進行するシナリオを想定したが、結局攻めずに終わってしまった。よく言われるように日本攻撃をするなら最低限台湾は手中に収め安全な統治状態に持ち込んで初めて日本を攻撃できる状態になるので、最低数年は日本攻めは不可能で有ると言える。また、ロシアの苦戦ぶりから分かるように戦力で大幅に劣る国家でも総力戦をされるとかなり苦戦をすることが分かる。ウクライナの軍事力は世界22位程度でロシアは世界2位であるにも関わらず、戦力の消耗度合いや費用を考えるとあまりに割に合わない。中国が相手にするのはそれをはるかに上回る日本(軍事力8位)とアメリカ(軍事力1位)なので、現状の戦力で戦うと国家が傾くどころか崩壊しかねないので、その点を考慮しても向後数年は本格的な軍事侵攻はしないだろう(尖閣で嫌がらせはしてくるだろうが)。

 二つ目に手を汚さずにロシアを弱めることが出来ている。これはアメリカも西欧諸国も同様に得しているのだが、ウクライナでロシア軍が苦戦すればするほど軍事力は低下し、経済制裁により回復に時間がかかると考えれる。日本はそこそこの経済制裁で立ち回ればロシアが勝手に弱体化をし、仮想敵国を中国の面正面に絞れるため非常においしい。因みに最悪のシナリオは中国orロシアの進行に便乗してもう片方も攻めてくる状態である。核戦争不可避。

 2023/1/21

 最近になって地雷処理車両等の供給を始めたようで、まあまあいい支援じゃないかと思う。日本の戦車を供給するにも台数は無いし、大陸での戦争を考えて設計されていない等、使用上の問題も結構多いので、無理に供与する必要は個人的には無いと思う。どうせ使わない旧型戦車などを廃棄という名目でウクライナに送ることはできるらしいので、更新予定の兵器を送るのはありだと思う。ぷるぷる僕は悪い日本じゃないよ。

 

ロシア

 想定外複数の地獄絵図である。一つ目にウクライナに対する諜報活動の失敗が挙げられる。当初シナリオでは東部で陽動をかけている隙に北からの精鋭部隊で早々にキエフを攻撃してゼレンスキー大統領が降伏or内部からの政権転覆だったと予想されるが、目論見は2週間足らずで崩れ落ち、泥沼の侵略戦争に発展してしまった。ブチャを筆頭とする大量虐殺や市街地への無差別砲撃により停戦も難しい状態になったので後は東部での長期的な攻防戦になるだろう。

 二つ目に欧米諸国のレスポンスが以上に良く、それなりに連携されている点だ。正直、核か化学兵器でも使わない限りはSwiftの経済制裁レベルはそうないと思っていたが、あっさりSwiftからロシアを除外し、武器供給もガンガンされている。当初は脅し付けることで大型兵器の供給は止めていたがブチャの虐殺などのロシア軍の蛮行が明らかになるにつれ、それなりの兵器の供給がされつつある。前述のロシアを直接手を汚さずに弱められるメリットからも今後ウクライナに支援が止めることはそうそうないだろうと予想される。

 三つ目に戦力を想像以上に消耗している。大量のジャベリン・中距離ロケット砲ハイマースによるヘリ、戦車、弾薬庫の喪失に加えて揚陸艦巡洋艦の喪失と被害は広がる一方である。歩兵の追加投入も死者が増えれば増えるほど厭戦状態になるため、かなり厳しいようである。まあ、そもそも補給線が壊滅的だったのは笑い話だが。装備を失えば失うほど軍の再建が難しくなり、今まで力で押さえつけていた周辺国からも攻撃されるリスクを伴うため、これ以上の消耗は抑えたいの本音で有ろう。裏から中国のバックアップはあるものの厳しい状態は続きそうである。

 因みに中国と蜜月をアピールしているが、彼らはアメリカが憎いだけであり、別にお互いを友達だとは思っていない。経済力や軍事力が低下するとお互いに攻め滅ぼしてやろうと思うくらいには仲が良い。ロシアが完全に戦力をヨーロッパに投入できないのはこの辺も地味に背景に有ったりもする。お互いに最後に殺す敵と書いて友と呼ぶ関係なので、結局のところ東アジア方面の軍隊を引き抜ききれない、という背景もある。

 どうやら半導体などの精密機器が制裁でストップしており、精密誘導兵器などが製造できない模様。よくミサイルが余ってるとか本気を出していないとかいう議論があるが、余っているならキエフや西部の武器保管庫を攻撃するので、最大でも余剰分はほぼないと考えたほうが自然である。ロシアは半導体を製造する技術は無いので、戦車や戦闘機を失いと軍隊の立て直しがかなりきついことになりそう。反面、砲弾はバカすか撃ちまくっているので、それなりに備蓄がありそう。米軍相手にこんなことしてたらとっくに死んでるぞ。

 現在は南部と東部を占拠しているが、原発を盾にする位には戦力の維持が厳しいようなので、暫くは撤退戦が続きそう。今後大規模な戦力の拡充はほぼ不可能なので、どういう停戦合意を迎えるのかが焦点になりそう。核をキエフにぶち込む位の事をしたらある意味驚くが現状はなさそう。

 2022年12月段階で、バフムトにてせっかく補充した兵士を無駄死にさせまくっているらしい。囚人兵や地方の少数民族兵だったりするので、自分たちに逆らう連中を処分する意味もあるらしい。この兵士たちが死ねば次はロシア人の動員兵を使うことになるが、既に厭戦感情が爆発寸前なので、今後の兵士の補充は結構絶望的だったりする。まあ、蛇口を捻る感覚で動員してくる可能性は否定できない。

 2023/1/21

 現在プーチンが更なる動員兵の増強を図っているらしいので、バフムトの奪還とドネツクの全土掌握くらいまでは戦争を続けるようだ。正直に言ってロシアが全戦力をウクライナに差し向ければ勝利するのはほぼ確実だが、それが出来ないのが実情なので、大量の兵士を囮と弾除けにしてウクライナ側を弱らせてじりじり詰める以外に方法がないようだ。ロシアの数に対してウクライナがどこまでやりあえるかが勝負な気がする。

 2023/3/23

 ツイニネンガンノシュウチャンカラノキョウリョクヲコギツケタゾ。習近平ウクライナ侵攻と台湾進攻の相互理解というニュータイプにあるまじきクソ行為を成立させた。これで大っぴらに中国からの軍事支援を漕ぎつけつつ戦える。ただし、中国も台湾進攻に必要な戦力を提供はできないので、供与されるのは弾薬やドローンといった兵器だと予想される。

 

ウクライナ

 戦争当事国にして被害者。ゼレンスキー大統領が戦争を招いたというお門違いの馬鹿発言もある。そもそも、旧ソ連諸国からするとロシアの低経済っぷりは付いていくに値しないため、今後を考えるとEU側に付きたいのは当然の帰結といえる。そもそもウクライナはロシアに恨みはあっても恩はそれほどない。

 ウクライナの戦力のみでロシアを止め続けるのは難しいが、アメリカとNATOを筆頭に情報面、武装面で大きなバックアップを得ているので中期的にはロシアと渡り合えると思う。東部2州を切り取られてしまうと、戦力再編後に取られるリスクを考えると奪還するか戦闘限界に達するまで戦い続けることになるだろう。

 全体的な戦力で劣るものの、アメリカのバックアップやゼレンスキー大統領の演説(流石は元俳優の演技力)により国際社会を表向きは味方にしている。情報開示に関しても多少不味い要素(捕虜の射殺など)があろうがロシアがそれを上回る蛮族ぶりを発揮してくれるのでメディアの情報戦もかなり有利に立ち回れている。

 首都防衛に成功はしているものの、機動戦力(戦車や装甲車など)が不足しており、奪還は難しい状態になっている。戦車や航空機を含めた大型兵装の支援がなければ恐らくは東部を切り取られて終了だと思われる。その後は新ロシア派(ロシア軍)と東部での泥沼の紛争になるであろうことが予想される。ハイマース・自走砲の投入により、徐々に占領地の奪還に成功している。ロシアの貧弱な補給線により防衛戦力の維持が厳しいことに加えて、いたずらに占領地を増やしてしまったので戦力が分散している。恐らくは徐々に戦線を下げて最終的には東部とクリミアに防衛線を敷くことになると思う。さすがに南部の防衛は原発の爆破レベルの行動以外は厳しそう。

 2022年12月時点で戦闘を継続しているが、ロシア側が組織的にインフラを破壊しまくる蛮行をしてきているので結構厳しめ。今後はインフラ攻撃などの嫌がらせに耐えつつ如何に西欧諸国の支援を引き出し続けられるかが焦点になりそう。

 2023/1/21

 英国が主力戦車の供与を開始し始め、ポーランドなどの東欧州側の諸国もウクライナに供与を申し出始めている。問題はドイツが日和って供与を認めないため、ドイツ製戦車が供与できていない。

 アメリカは歩兵戦闘車などを大量供与することを決定したので、これらを編成に組み込み機械化歩兵師団での奪還を狙うことになる。ドイツのレオパルド2の供与が決定できれば3月に攻勢を開始できそうだが、現状は大規模攻勢はかなり難しそう。ある程度の奪還は期待できそう。

 2023/3/23

 相変わらず士気モリモリで殺る気満々である。取り敢えず供与を漕ぎつけたレオパルド1・2、チャレンジャー、アメリカの戦車と歩兵戦闘車を使い切り取られた領土や敵の補給線を叩く流れになると思う。4月以降の攻勢で大幅に領土を奪還できればロシアの撤退や停戦交渉で有利に事を進められる。逆にここで戦果が芳しくないとかなり厳しいともいえる。攻勢限界に到達したロシアがどこまでウクライナの勢いを止められるかで今後の戦局が決まりそう。

 

 

アメリ

 かなりおいしい思いをしている国家その2。アメリカ軍を消耗せずに仮想敵国であるロシアを弱らせることに成功している。ウクライナアメリカにとっては比較的どうでもいい立地であるため、無理に防衛する必要性はないが、ウクライナに武器を送ることでロシアはドンドン弱っていく。また、武器を送ることで

 よくバイデンが「ウクライナアメリカは戦わない」と宣言したことを弱腰だと叩かれているが、アメリカ軍派遣による抑止はそもそも条件を満たしていないのでリップサービスにもなっていない。まず戦力をウクライナ周辺に大量に配備しなければないらず、黒海への空母機動艦隊の派遣もしなければならない。これだけの戦力を送るには数カ月単位の時間とコストを要する上に、偶発的にロシアと戦闘になれば一番望まない第三次世界大戦に発展する。これはアメリカの国益にも大きく反するため有り得ないと言える(アメリカ的にはウクライナは比較的どうでもいい)。また、下手にヨーロッパに大量の戦力を派遣するとアジア方面、要するに中国の台湾進攻をさせてしまうリスクがある。あの一言はヨーロッパに軍は派遣しない代わりにアジアで何かあったら軍を送り付けるよ、という意味合いもある。

 結局、台湾進攻を中国がちらつかせ始めて演習を行っているので、暫くは東アジアの動向を注視しつつ、ウクライナを支援する方針になると思う。

 

中国

 あまりおいしくない国家。オリンピック戦争になり顔に泥を塗られた上に、一番先走ってほしくない最大の友(強敵)に先走られた状態。結局便乗戦争は行わず、ロシアの戦争の趨勢を見つつ今後の方針を決める感じになるかと。

 中国の悲願の一つである台湾統一(侵略)を果たすには人口減少や習近平の任期の都合で2030年付近で攻撃がなければならない。アメリカが中国包囲網を形成する中、いつ攻撃を仕掛けるか、という段階だと思うので、今のウクライナの状況はある種の台湾進攻のモデルケースになりつつある。アメリカがロシアへの手を緩められないのはその辺の背景もあると思う。ウクライナ侵攻を上手い具合に弾くことが出来れば、そもそもの中国による戦争を未然に防ぎ、そのまま経済力の衰退をもって台湾進攻をあきらめさせることが出来るかもしれない。

 中国の場合、ロシアと違い経済力がまだ伸びる=軍隊が強くなる状態、なので悪戯に西欧諸国を刺激し、派手に制裁をされると成長が止まってしまうので、表立って支援はしないと思う。一部の精密機器や石油の買い付け、国連でのロシア擁護辺りがロシアに出来る援護射撃である。

 中国が積極的に台湾進攻を始めないのは、敗北と苦戦による衰退のリスクにある。中国の敗北した国家指導者の末路は中々悲惨なので、敗北は論外、苦戦による国内感情の悪化は習近平本人にとって危険極まりない。必ず勝てるという状況でないと攻撃が出来ないと言える。とはいえ、中国の国内状況が悪くなると、指導部への不満を逸らす、台湾占領による国内感情の回復を図る等のシナリオもあり得るので、暫くは中止しなければならない。

 台湾戦争になると日本も輸送の護衛や台湾市民の一時避難先になることが想定されるので、どうあっても巻き込まれる。最悪のシナリオは日本の米軍基地や尖閣への進行を持ってしての事実上の宣戦布告からの戦闘状態への突入である。その際には米軍から戦争発生の可能性が高いことが示唆されるので、ウクライナ同様に米国が警鐘を鳴らし始めたら覚悟を決めたほうがいい。

 2023/3/23

 プーチンと習は仲良し!取り敢えず弱ったロシアから台湾進攻のお墨付きを貰い、見た目だけ和平介入したりと世界に対して存在をアッピルしたりと余念がない。プーチンとの会談で民主主義国家 VS 独裁国家の対立軸が鮮明になったので、今後は経済的な支援や技術窃盗は難しくなってくる。習近平2032年までの任期がほぼ確定したので、如何に台湾進攻時に米軍と対峙しても勝てる、という状態になるかが焦点。

 2023/5/9

 ついに欧州からの企業切りの一部が発生し始めている。経済力の低下も顕著になりつつあり、世界の工場の地位もかなり厳しくなってきている。経済力を盾にしたスパイ行為も今後は行えなくなるので、虚勢が張れる残された期間で如何に世界に対するプレゼンス能力を行使して台湾進攻を行えるかが今後の焦点になりそう。これに失敗すると向後数十年は台湾進攻は無理そう。

 

インド

 アジア最大の蝙蝠国家。中国の人口を抜き去り世界最大の人口を持つ国家となった。現状はロシアから資源と武器を買い、中国と国境問題を抱え、アメリカなどのクアッドに参加しているという歪な国際情勢を抱えている。故にどこからも美味しい思いが出来る立ち回りをしている。インドはロシアから戦車や戦闘機などの主力装備を大量に買い付けているため、ロシアの大敗北はかなりインド的には不味い。資源の買い付けや一部精密機器を売り渡すことでバックアップを続けると考えられる。

 女性の人権がかなりクソで、西欧諸国などの考え方とは真逆を行っている。そういう意味では軍事同盟は有り得ても完全な融和は有り得ないと思う。経済力は人口から伸び続けるので、経済的には仲良くなれそう。中国と異なり外に進出する野心もなさそうなので、暫くは仲良くできそうである。

 

イギリス

 アメリカ最大の同盟国。ジョンソンがパーティー問題で失脚し、トラスが新たに首相になり動向が注視されていたが、取り敢えずはウクライナ支援は続けそう。対中国も強硬派らしいので、日本的にも暫くはありがたい存在になりそう。

 装備の供与はイギリスの保有装備的に厳しいが、ウクライナ兵の大規模な養成を続けており、アメリカ同様に暫くはウクライナの強力な支援国家となる。ある意味EU依存の経済から外れていることが功を奏しているともいえるかもしれない。

 2023/1/21

 と思っていたら主力戦車の供与を開始した台数は少ないが、戦車関連の装備はかなりウクライナとしてはありがたい。また、狙いはドイツ製戦車レオパルド2の供与を焚き付けるのが目的と見られるので、呼び水的には台数はどうでもいい。

 

フランス

 現在のG7最大のロシア友好国。ロシアのプーチンとの関係を利用して上手く仲介役を行おうというマクロン大統領の野望は早くも潰えてしまった。フランスは全体的にまとまりが乏しく、昨今の選挙でも与党が負けてしまい、包囲網の中でもかなり危うい地位にいる。また、ライバルのルペンが勝ってしまうとNATOからの離脱を画策しているので、嘗てのフランス同様に離脱の可能性はある。離脱後に以前のフランス軍の指揮系統のみをNATOから独立させたい位に留まるのか、それとも完全な独立を狙うかは不明。ルペンはロシアとの関係が近いとされているので、当選後にロシアの資源目当てですり寄る可能性も否定が出来ないので、そういう意味でもかなり危うい存在である。

 地理的分布からフランスが軍隊を派遣してもフランスを主戦場にしてロシアと戦端を開くことはほぼ無いので、NATO離脱を考えるのはある程度理解が出来る。まあ、自分本位らしいフランスの考え方とも言えるが。

2023/1/21

 フランスも軽戦車の供与を決定。意外や意外だが、インフレによる経済地獄から考えるに本次大戦を早々に終わらせたいのも本音かもしれない。まあ、何にせよいい決定だと思う日本的には。

 

ドイツ

 今次戦争で大損をした国筆頭。元々は自然エネルギーへの舵取りでロシア産ガスを輸入し始めた経緯があるため、完全に墓穴を掘ってしまった状態。エネルギー資源の大半をロシア依存にしてしまったため、暫くの間エネルギー問題を抱え続けることになりそう。

 フランス同様にかじ取りは厳しいが、ウクライナの陥落後、隣国ポーランドがロシアとの主戦場になってしまう。そのため、NATO離脱の可能性は低く、2025年までにロシアエネルギーからの脱却を目指すという現実的な解決を目指しているため、ドイツからロシア包囲網が瓦解する可能性は低そうである。

 2023/1/21

 ドイツ製主力戦車レオパルド2の供与を巡って目下NATOと言い争い中。どうにも製造国の許可なく供与するのは違反らしく。供与したいポーランドなどの東欧諸国ともめている。条件にアメリカの主力戦車エイブラハムを渡せよ、と言っているらしいが、メンテナンスが大変らしいので、アメリカは難色を示している(本当に悪いらしい)。ドイツの世論調査も供与に難色を示しているのでショルツ首相としては供与したくないのが本音のようだ。

 戦況を決める重大な判断の一つになり得るので、さっさと決めてほしい。日本的には供与してほしい。

 

東欧諸国

 今回の戦争でかなり損をしている国家群。主にポーランドモルドバハンガリーなど沢山。今次大戦で一番ヒヤヒヤしている集団。軍事力が乏しく、ウクライナが隣国のため、ロシアとの戦争では主戦場になる可能性が高く、ウクライナの次位に当事者意識が高い。あわよくばウクライナを支援してロシアを撃退できるとかなりの時間稼ぎが出来るので、ウクライナ支援には余念がない。

 今後もロシアの脅威は現実問題付きまとってくるので、冷ややかなフランスなどと対照的にNATOでの積極的な武器支援やロシア脅威世論の構築は続けると思われる。

 ウクライナにおけるロシアが想像以上に苦戦しているため、目下の脅威はほぼなくなったと言えるハンガリーはそんなことよりエネルギーをロシアから買おうぜ、というくらいにはヤル気が無くなっている。今後この類の問題はEU諸国内で浮上しまくりそう。

 

2023/1/21

 ドイツ製戦車レオパルド2の供与問題に対して、ポーランドなどの次代ウクライナ候補国は供与をしてロシアを撃退したい、というのが本音のようだ。ウクライナがだめだった場合、次は自分たちの土地が戦場になるので結構必死である。

 

北欧諸国

 フィンランドスウェーデンがここに当てはまる。今回の戦闘で損はしたが、トルコと交渉が上手くいったため、NATO加入がほぼ当確し一安心といった状態。ウクライナと同様にロシアと国境が接しているため、今後も軍事力増強に余念がないと思う。ロシアのNATO脅威からのウクライナ侵攻の理由のほとんどがこの2か国の加入で無くなってしまった。

 この2か国もロシアとの戦争時に最前線に当たるので、今後もウクライナ支援は賛成派になると思われる。

 トルコが折衷案の末、フィンランドNATO加入を認めた。国境線に直接面しているのはフィンランドで有り、スウェーデンを攻めようとすると海上からの攻撃になるので、ロシアとしては蓋をされた形。特に何もなければこのまま粛々と加入が進みロシアの北進の道は阻まれることになる。

2023/5/9

 大分前にフィンランドNATO入りし実質的なロシアのNATO東進の目的が失敗に終わる。ウクライナネクスト北欧侵攻というロシアの次期作戦はかなり厳しくなったと言える。スウェーデンNATO入りできなかったが、直接ロシア陸路で国境が接していないので、取り敢えずは問題なさそう。

 

現状

 2023年5月時点での状況ではロシアは攻撃能力をほぼ失ってしまい、大規模な侵攻はほぼ不可能な状況となった。東部中央部に防衛戦力として残している戦車を集め、撃墜のリスクを加味せず航空戦力をフルで投入すれば再度大規模な攻勢をかける能力はあるだろうが、リスクがでかすぎるのでほぼ不可能な方法。残された方法は核兵器の投入だが、欧米諸国の反撃がどの程度が予想できないため安易に投入はできない。現状はバフムトの維持とクリミア半島の防衛、東部に防衛線を敷いて切り取った領土を奪い返されたないようにするのが手一杯である。なし崩し的に得た南部の大半はウクライナが奪還すると予想される。まあ、そもそも防衛戦力が足りないので本国から遠い南部は守り切れない。

 ウクライナアメリカから供給された装甲車や各国供給の戦車を駆使してどこまで領土を奪還できるかが勝負。予想では南部の大部分とドネツク・ルハンスク州の一部地域の奪還をすると考えられる。流石にクリミア半島はロシア上層部から死守命令が下っていると思うので、奪い返すのは難しいと考えられる。戦闘機や長距離ミサイルの供与は現状得られそうにないので大規模攻勢後は長期的な泥仕合状態になると予想。

 

 2023年1月時点ではロシアは兵力を消耗しつつバフムト横のソレダルを奪い取り、ウクライナはロシアの猛攻を食い止め続けている。ロシア側は追加の動員兵を用意し、ウクライナ側はアメリカ、イギリス、フランスから装甲車、戦車などの供与を受け取り、反撃の準備を整えている。今後はウクライナの機械化歩兵師団の動きで東部の戦局が変わりそうだ。そういう意味でもドイツのレオパルド2の供与決定が大きな問題になりそう。

 

 2022年12月時点ではロシアが一応は攻勢をかけているものの、特に大きく陣地を広げていないという状態。

 動員兵を大量に死地に送り込みいたずらに犠牲者を出しまくっているので、兵力不足はどこかで再度深刻化しそうではある。ウクライナ側も動員限界はあるものの、厭戦感情が爆発するのは当分先なので、ロシア側がどうなるかが焦点。別に死んでもいい囚人兵や少数民族兵を磨り潰しているようなので、軍やロシア的にはどうでもいいらしいが、この戦いを見たロシア人からすると同じ目に遭わないとは限らないので、かなりの愚策と言える。

 冬季に突入し地面が凍った後に機動部隊がどこまで戦えるかでまた戦局が変わりそうな気がする。

 9/14…ロシアが東部と南部で大幅に侵略地を奪い返されつつある。理由はいろいろあり、電撃戦の成功やSNSでの誤情報の流布(ウクライナの奪還軍の動きなど)等があるが、一番の問題は武器弾薬がもうないのではないかという点。

 ウクライナはハイマース等のロケット砲を使いロシアの補給路を破壊してきたが、それ以上に7月の東部攻勢の際に砲弾やミサイルをほぼ使い切ったのではないかと思う。東部ではあの時期かなりバカスカ砲弾を打ちまくっていたが、東部攻勢終了後に急に鳴りを潜めた。ミサイルは半導体が中心の武器なので使えなくなるのは時間の問題だったが、どうやら砲弾すら満足に供給できていないようだ。

 武器弾薬がないという根拠の一つ目は、あるならウクライナの奪還作成の際に使っているし、もっと言うならウクライナの防衛線が射程に入る位置を陣取りひたすら砲弾を浴びせてもいい。余っているなら使い道はいくらでもあるが無いなら撃てない。ない袖は振れないのである。

 二つ目は北朝鮮から装備を購入し始めたようだ。北朝鮮の装備は旧式が多く、最新鋭武器もそこまで最新ではない。それでも購入をしようというのはかなり装備が困窮しているという事だと思う。まあ、資源の切り売りが一番しやすい相手、というのもあるが。

 

今後

 冬に突入してガス代の高騰がEU諸国にどの程度のしかかるのかが焦点になりそう。正直、ロシアのエネルギーの経済制裁はかなり歯抜けの部分が大きいので、徐々にこの辺りは有名無実位の制裁になりそう。どちらかというと西欧諸国供給の半導体や精密機器の供給を断ち続けるのが目下の制裁内容になりそう。

 スーパー蝙蝠国家であるインドや世界征服を企む中国がどこまでロシアにその類のものを供給し続けるかと、ロシア全体での厭戦感情の高まり次第で戦争の終結は早まりそう。ロシア全体で傭兵や徴兵戦力の維持が厳しいようなので、大規模な戦線の崩壊はしないと思うが、侵略地の規模縮小は起こりそう。最終的には元の2月ラインまで戻りそう。クリミア半島はロシア念願の不凍港なので手放しはしないらしい。

 クリミア攻撃を持って戦術核の使用の可能性が一部目されているが、有効に使用できる範囲が限られているので、現状はほぼなさそう。どちらかというと原発を爆破して放射性物質ウクライナ国内を汚す嫌がらせはしてきそう。

 ロシア軍はウクライナに対して侵略地を奪還され始めているので攻勢限界点が見え始めている。冬に突入し補給が厳しくなった場合、両軍ともどこまで戦えるかが勝負になりそう。現状はホームかつ西側供給があるウクライナが有利そう。ロシアは貧弱な補給線を何とかしないと冬に総崩れする可能性すらある(現状崩れかけているが)。

 取り敢えずロシアもウクライナも冬を終えることには成功した。ウクライナもロシアも大量の人的資源を消費した、ロシアは大量の動員兵を用いてバフムトを攻めていたらしく、相当な死人が出ている。最近は攻勢限界に到達したようで、ほとんど目新しい戦果は無いようなので、ウクライナが攻勢に出るまで膠着状態が続くと考えられる。ウクライナが領土奪還にどれだけ成功するかで今後のロシアや中国の出方が変わりそうである。

 

 

ロシア擁護者について

 良くヤフコメやTwitterあたりを見ているとロシアを擁護している日本語筆者と思わしきものがそれなりの数ある。正直彼らは大体馬鹿か、ロシア工作員か、ロシア人愛国者か、ロシアから金を貰っている売国奴辺りだと思う。なのでハッキリ言って相手をしても無駄としか言いようがない。鈴木宗男とかがいい例である。

 ロシア擁護のコメントの大半に対して言えるのは、ロシアが勝って日本が得する要素ある?である。ロシアが勝って日本は得する要素はほとんどない、同盟や盟友と言える関係の大半は欧米諸国と持っているし、戦争を許すと中国の助長を招きかねない。無駄にロシアの国力が増すと朝鮮半島や台湾、日本有事の際に便乗参戦してくるリスクもある。はっきり言って得する要素はない。この際ウクライナ戦争で大敗して内部分裂してくれると北方領土を奪い返せる可能性もあるので、その方がありがたいかもしれない(核戦争のリスクが増大するが)。

 以上をまとめるとロシア擁護者は相当にやばい奴か、ロシア関係者であり、相手をしても無駄だろう、というのが結論である。ヤフコメ周りで炎上させている香ばしい連中がいるが相手をするだけ無駄である。そもそもお馬鹿すぎて現状が理解できていないか、ロシアを守るコメント以外する気が無いからである。みんなも生暖かい目で見てあげよう!