じんせいのあれこれ

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会社の車をぶつけたとき、責任の所在は?

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 どうも、ぺーのパードライバーヤサカです。

 どもども、今回は会社で何気なく話していた内容を膨らませたものを記事にしていきたいと思います。まあ、タイトル通りですね。

 

 先日のこと、免許をゲットしてからあまり運転していなかったペーパードライバーのヤサカ、常日頃先輩からも事故だけは起こすなよと心配される毎日でしたね。そんな中、ふと疑問に思い、先輩にこんな質問を

 

 

「車ぶつけたらどうなるんですか(笑)」

 

 

 まあ、ぺーのパーということで他車や人を巻き込まないまでも、当てない保証もないのでためしに聞いてみたところ、先輩からの回答は、

 

 

 

「おう、全額弁済だから気をつけろよ!」

 

 

 

 まず、2つ突っ込みを入れるなら、運転させる前に先に言えよ!そして、マジで全額弁済なんでしょうかね(震え声)

 後日、別の先輩に聞いたところ3分の1で済むそうです。マジかそれでもやばいが………。

 

 さて、ここまで来て、仮に私が事故を起こした場合、どこまで会社が私に責任問題を押し付けられるか、とりあえず調べてみました。最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

 

自分で考えたこと

 まあ、これは私がいろいろ考えてみた内容ですかね。特に法律云々はありません

 

 

労働者目線

 労働者側の視点から見れば、現実的に考えれば、会社が従業員を行使し、その従業員が会社の業務で車を使って事故を起こせば、会社が払うのが当然。そして、悪質な行為(飲酒運転・スピード違反・信号無視)などで事故を起こせば、全部ないし一部を労働者も負担するんでしょうかね?

 まあ、どうにもいろいろ調べてみても結構な割合の人が、こんな感じで考えているみたいですね。実際に会社も保険に入っていることが多いので、普通はそこから払われると思いますしね。

 

 

会社目線

 会社側から見れば、できる限り労働者に負担してほしいのが本音でしょうかね。やはり保険料もそれなりにかかりますし、事故を起こせば起こすほどどんどん高くなりますから、事故を起こしてほしくないでしょうし。

 会社側の手法としては、以下に責任所在を労働者側にあるかを証明することと、事故を頻繁に起こす社員をどうにかするのかが焦点ですかね。

 

 

 

法律から見ると

  では、次に法的にみるとどうなっているのか見てみましょうか。

 あちこちのサイトを巡回して調べてみたところ、どうにもこうにも業務中に社員が起こした責任は原則会社側が被るようで、それに対して会社がどこまで従業員に責任を押し付けられるか、みたいな感じになっていますね(一部語弊有)。

 会社側が被る責任は使用者責任「運行供用者責任」の二通りがあるようですね。

 

使用者責任とは

 まずは「使用者責任」から、正直よくわからなかったので、とりあえず長々と引用

 引用元は社員が社用車で事故!?|社会保険労務士金山経営労務事務所

から持ってきました。私があちこち探してみてて、読んでて一番わかりやすかったです。

 

実務上、被害者が、①従業員の不注意で起こした事故により被害を被ったこと、および、②客観的にみて、従業員が業務として社用車を運転していたことを証明すれば、会社は従業員が起こした交通事故による損害を賠償しなければなりません(使用者責任民法715条1項)。
被害者がこれらの要件を証明すれば、無断使用の場合であると、私用車の場合であるとを問わず、使用者責任を追及することができます。

 

なお、法律上は、会社が従業員の採用およびその従業員の業務の監督について相当注意していたこと、または、相当注意していたとしても、別の原因により損害を避けられなかったことを会社が証明した場合には、会社は責任を免れることができるとされていますが、実務上、会社がこれらを証明して責任を免れるということはほとんどありません。

 

 長いのでまとめると、客観的に見て業務上であれば、よほどのことがない限り私用車・社用車問わず会社側が責任を負うそうです。よほどというのは恐らく、採用する際に精神鑑定を行ったものの、採用者が意図的に歩道に突っ込んで人を跳ねた、とかですかね。そんなことする会社はないので、やはり原則会社持ちのようです。

 

運行供用者責任

 次に運行供用者責任についてですね。こちらも同じく引用するとこんな感じですね。

 

会社が「自らのために自動車を運行の用に供するもの」(運行供用者)にあたれば、人身損害については、会社は使用者責任のみならず、運行供用者責任をも負うことになります(自動車損害賠償保障法3条)。

 

そして、従業員が営業中に社用車で交通事故を起こした場合、会社は文字通り運行供用者にあたり、運行供用者責任を負います。

 

他方、従業員が業務時間外に無断で社用車を使用していた場合には、必ずしも運行供用者にあたるとはいえません。この場合は、次のような事情を総合的に考慮して、第三者の目には「会社のために自動車を運行している」と見えれば、運行供用者責任を負うことになるとされています。
①鍵の管理が十分でなかったとか、事故を起こした従業員が鍵を管理していた等、社用車を使用されることとなった事情
②業務とは全く関係ないときの使用であったか、あるいは、業務の前後であったか等、社用車の使用と業務との関連性
③日常的にその従業員が自動車を業務として運転していたか否か
④それまでに無断での私用運転が行われていたか

 

従業員の私用車であっても、会社の業務に使用していた場合には、会社は運行供用者責任を負うことになります。

ですので、第三者に対する賠償責任は会社が負うこととなるのです。

 

 こちらもまとめていきますと、こちらも従業員が事故を起こした場合、責任は会社が原則負う、また従業員が無断で社用車を使用した場合にも、原則、従業員が社員規定による周知、社用車の管理がずさんな場合、従業員の社用車運転の日常的な状況次第では会社が責任を負うそうです

 

 

 企業側には求償権なるものがあり、一般論の労働者目線でも述べたように悪質な要因や全面労働者側の過失による事故の場合は、労働者側に賠償請求ができるそうですが、やはり全額負担は難しいようですね。

 ただし、企業側が賠償請求に成功した場合でも、労働者の給料から天引きする形での請求は法的に不可能だそうです。

 

 

 まとめると、法的に見た場合、業務上の運転による自己責任は原則会社側が負うそうです。至極まっとうな意見だ!

 

 

 

現実問題

 様々な会社がある中で、私の会社のように業務上運転する機会が多いにもかかわらず、社員に自己責任を負わせようという会社は少なくないと思いますね。

 私のように、仕事を辞めるような人・辞めるのも辞さない人はどうでもいいのかもしれませんが、現実問題では正社員が事故を起こし、会社から損害賠償を求められ、辞めるつもりがないからどうしよう……、みたいなケースも多いようですね。

 数万円単位ならまだ何とかなるかもしれませんが、よそ見などの事故から過失が10:0とかになってしまい、10万円を超えるような膨大な金額を請求されるというのもあるようですね。

 法的にはどんなに重くてもある一定程度以下の支払いで済むようですが、会社内の立場が危うくなる等の理由で反論しにくいという問題があり、一筋縄ではいかない印象ですね。

 

 

 

 

 

総評

 今回自動車事故の過失について調べてみましたが、思ったより奥深いというよりは、ケースバイケースな印象でしたね。

 ネット上をさまよって得た情報は、割とさまざまな印象で、特に裁判の判例を挙げ始めるときりがない印象でした。労働者側の過失が認められた場合にも、50%の負担だったパターンや5%の負担だったり、ピンきりなんですよね。そういう意味でも会社の車両事故の責任の所在はどこかで調べておいた方が無難かと思います。

 

 あとはそうですね。最悪の場合、会社とやり合うかやり合わないかですね。数万円のケースだったらやり合うのは得策ではないことの方が多い気もしますが、10万円単位だったり、業務上車両に乗る機会が多い(営業や工事関係)人などはやり合った方がいいかもしれません。

 1回目の事故で、車両に乗らないで済む業務に回してくれるなら問題ないのですが、そのまま継続して乗り続けろと言われたときに、次も事故らずに済むかというと、やはり保証しかねますからね。乗ることの多い人はその辺も視野に入れておいた方がいいかもしれませんね。

 また、高額請求のケースではそのせいで生活がままならないから裁判を起こしたという話もあるので、その事故の請求が原因で生活がまずいことになったならやり合うしか道はないかもしれません。

 共通して言えるのは、やはり、素人考えで動かず、弁護士などに相談してみるのがいいかもしれませんね。ただし、やり合うなら辞めても構わないくらいの覚悟でやらないと、たとえ勝ったとしても会社に入れなくなった、となりかねませんからね。それ相応の覚悟で挑め、ということですかね。

 

 

 

 

 そしてもう一つ、これってブラック企業の判断に使えないか?と個人的には考えています。

 というのも、まともな会社なら車両保険は当然入っているでしょうし、社員の負担もないかと思います。逆にまともじゃない会社なら、保険に入っていないこともあるようですし、仮に入っていたとしても、保険料の引き上げを嫌って使わない、とかいうのが考えられます。

 まともな会社なら、社員が車に乗る機会が多いならそれに対応しているでしょうから、対応してないような会社なら早い段階から、いろいろ考えてみてもいいかもしれません。車に乗る機会が多くなればなるほどね。

 

 

 さて、今回はこんなところですかね。いやぁ、まとめてみると思いのほか長かったです。では、次回まで、さよなら!