じんせいのあれこれ

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嘘の求人

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 先日TVを見ていたら、こんな感じの放送がされていました。

 

 求人票と実際の労働条件が違い、弁護士などに相談が入るケースが多い、というような内容でした。

 詳しく掘り下げていくと、二人の被害者の例が挙げられており、一人目は、求人票の求人内容(勤務地・勤務内容)の中身に納得したうえで転職しようとしたのですが、就職前に勤務地と勤務内容などが求人と違ってもよい、という誓約書を書かされ、いざ就職したら全然違う配属先と仕事内容で、子供を養う手前簡単には辞められず、無理して働いたが、最終的には裁判を起こしたというお話。まあ、サビ残を1か月80時間やらされていたとサラッと言っていたことはあまり触れない……。

 二人目は、新卒求人で入社し、実際に働いたところ、求人内容と給料・福利厚生が大幅に違いお金の面で大きく減らされてしまったというお話。さらに辞める際には本人が不安になるようなことを言って暗に退職を止めていたようですね。

 最終的には、新卒の新入社員が職歴に傷がつくという理由で簡単に辞められないことを逆手に取ったとんでもない行為だ!と相談に乗っていた弁護士の方が切り捨てていましたが、それを見て、何だが自分の話とも結びつき、なんだかなぁ、とやるせない気持ちになりました。

 

 私も新卒で会社に入り、会社が提示および話していた待遇面の違いなどから会社に対する信用を失くし、退職を考えたという経緯があったので、何となく思うとこが多いです。

 

 今回はそんな、嘘の求人情報について考えていきたいと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

実際の求人内容と実際の仕事

 上のTVでやっていた内容はかなり極端かつ証拠が残るということでお粗末な手法だと私自身は思います。実際に私の会社のように証拠が残らないように嘘を吐く企業は多いと思います。

 例えばどんなものかといえば、口頭による嘘やぼかした書き方をし、嘘をつくケースです。

 私の場合は、人事の方に口頭で給料面はこうだ、とか、休日はこうだ、と教えてくれた内容を信じて入りましたが、実際の会社で情報を集めたり様子を見ると、全然教えてくれた内容とは異なっていました。ただ、口頭で伝えられた内容なので、ボイスレコーダーとかに残さない限り証拠に残りませんし、私の感覚ではそう思いましたなどと言い訳されると中々裁判などで勝つのは難しいと思います。

 また、福利厚生面についても、当時の求人内容(現在では流石に削除されている)では福利厚生が充実していると書いていましたが、それが充実していたのは私が入社する数年前までで、社長の交代に伴い福利厚生が大幅カットされ、充実とは程遠い状態になっていました。はっきり言ってほとんどないという状態。ただ、こちらも私の感覚では多いと思いましたと言われると中々苦しいところ。

 

 私の場合は上記のようなケースですが、他の会社ではやりがいや人間関係の良さのような不明確かつ個人差の大きいものを前面に押し出すというやり方もあるので、やはり、証拠をが残りにくく、個人差が大きいものでごまかすことが多い気がします。

 

 

 

 このようなことが起こる背景には、TVで言っていたような人手不足と、ブラック企業と呼ばれる企業群が原因かと思います。

 

 一つ目の人手不足は、業界問わず一部企業を除き、人手が圧倒的に足りません。一時期の不景気によりリストラを進めた結果や人材育成を遠ざけてしまったことから、仕事量が回復した今では人が足りなくなってしまったというのが現状でしょう。

 そんな企業側では新卒採用による大幅な戦力増強を図りたい、というのが実情でしょう。特筆して優れた会社で給与面、福利厚生、仕事内容ともに魅力あふれる企業なら問題ないですが、特に際立って良いものもなく、仕事をアピールしてもなかなか人が集まりにくい業種や会社は少なくないと思います。そんな会社が他社と自社で差をつけて人を集めたいと考えた時に、とにかく自社をよく見せるための通常の待遇や常務内容に嘘を持ったり、ねつ造をするというケースは少なくないと思います。

 このケースは比較的マシな企業も同じようなことをしている可能性もあるため、一概にブラック企業が人集めに行った結果とは言い難いと思います。内容もピンキリで、やりがいとかで少し盛る程度だったり、まあ、悪質なところでは給料などを盛ったりするわけです。

 

 

  労働者が取るべき対応

 ではこのような企業につかまったときに我々労働者側が取れる対応はどんなものがあるだろうか?それぞれ考えていきたいと思います。

 

1. 妥協する(我慢する)

 一番目の選択肢、そして、多くの人が選んでいるだろう選択肢です。妥協即ち我慢することです。嘘の待遇なんてくだらねぇ!俺の求人をきけぇ!みたいな感じで目をつむってしまうのです。

 手っ取り早いし、ある種一番達観した選択肢でもありますが、実のところ結構危険な選択肢でもあります。これを妥協しすぎると、所謂、社畜と呼ばれる人たちの部類になってきます。

 悪い待遇でも妥協し、妥協を重ねていくと……いつしかとんでもない待遇に……。なんてことになりかねません。

 

 これを避けるには、自分が妥協できるラインを予め決めておくことです。お金はどれくらいまでいいのか?残業はどのくらいの時間までなら許容範囲か?人間関係はどこまで許せるのか?勤務地はどこがいいのか?やりがいが欲しいか?等、それをあらかじめ制定しておき、だまされたと思ったらそれを確認してみることで、社畜になることを防げるのではないかと思います。

 これがそのラインを超えた時は、2 or 3の選択肢になります。

 

2. 改善を要求する

 これはハードルの高い選択肢、上司・会社側に求人内容が違うことなどを話、そこから実際の求人内容に変更してもらおうというもの。

 

 はっきり言ってあまり現実的でもない選択肢。というのも、大抵こういうものは他の社員も不満に思っていることだろうし、それらが口に出されない状況では、新入社員足る自分が何か言ったところで一朝一夕で解決できる問題ではない気がします。

 

 人間関係や環境が壊滅的に悪く、体や精神を壊したり、退職を考えるレベルなら、上司に掛け合うのは一つの手だと思います。

 反面、給与、時間、やりがいといった問題は解決が難しいもので、これに関しては上司に掛け合っても解決は難しいと思います。給与、時間、やりがいの面で折り合いがつかなければ3番目の選択肢が視野に入ります。まあ、そのために労働組合が存在するんだろうが、機能していないとか考えてはいけない。

 

3. 退職する

 わぁい!なんか急にいい考えに思えてきたぞぉ!

 さて、冗談はさておき、一番手っ取り早い対処法を提示するならまずはこれでしょうね。私自身もこの選択肢を選んでいます。

 

 全ての条件をリセットしてやり直すという意味では非常に良い選択肢です。労働条件があまりにもやばく、人間関係も殺伐として、勤務地が絶望的な場所にあるなら迷うことない選択肢でしょう。

 反面、次の就職先が今の環境より良くなる保証がないというのが問題点でしょうか。この辺りは1で決めたラインと照らし合わせて納得できず、それらが2で掛け合って解決しそうにない問題なら、これを使わざるを得ないのではないでしょうか。

 

  

総評

 正直、今の日本の就職活動はフェアではないと思います。企業側が学生の能力を問いかけるには筆記テストをする、面接でいろいろ聞いてみる等、試す方法はいくつか思いつくし、実際に多くの企業で行われています。

 一方で学生側が企業に対して、待遇面や環境、具体的な仕事内容などを問いかける機会はほとんどありません(暗黙の了解として面接で聞くのはNGとされている)。その上、内定確保のために多くの人は一つ一つの企業を念入りに調べる余裕なんてないでしょうしね。そんな余裕もなく、吟味する機会もなく、就職する中で調べた情報で企業の嘘を見抜くのはなかなかに酷だと思います(中にはあからさまに怪しい企業もありますが)。

 

 この問題を解決するには、学生側の目が余程肥えたり、そのようなブラック企業がリストアップ化される(主にネット上で)等しない限りは、現状解決しないのではないでしょうかね。

 後は就活の根本が変化し、短期間離職が評価に影響を与えない or 労働者側が短期間離職の履歴を公開しなくても良いようになれば、そのような企業に当たっても即座に転職ができ、解決するかもしれませんが、これも当面は解決しそうにない方法ですね。

 

 現状のこのアンフェアな状況では、就職はある種の当たり外れのくじ引きみたいな部分があるので(ある程度の情報収集で最悪の外れくじはリジェクトできるが)、就職して本当に駄目だったら上記の手法を取るしかないのではないでしょうか?

 一番まずいのは固執して続けた結果、体や精神を破壊されたり、スキルもないまま年齢ばかり重ね、急に放り出されて八方ふさがりになってしまう、という状況になることだと思いますね。

 重要なのは、常に自分で限界のラインを制定し、それと比較し、会社の条件を見直し続けることで、最悪の事態を回避することだと思います。ダメだと判断したら、運が悪かったと考えて見切りをつけて、次のステップに進む思考も必要だと思います。まあ、あまり即座に見切りつけるのもダメだと思いますけどね。

 

 

 

 

 さて、今回はこんなところですかね。これは完全に自分と重なったっていうか、情が移ったというか、そんな感じで書いた記事でしたね。ただ、書かずにはいられませんでした。悪しからず。では、次回まで、さよなら!