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じんせいのあれこれ

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大卒新入社員の3年目以内3割退職は多いのか?

仕事

 どうも、大卒新入社員の3年目以内退職者予定のヤサカです。

 先日、カーラジオを聞いていた時の事、新卒3年以内早期離職者の話をしていました。早期退職者が増えていて30%超えて多いとか、忍耐弱い若者が多いという論理を専門家が展開していたのを何となしに聞いていました。

 その時にふと思ったのですが、退職率30%って本当に高い数字なのかです。というのは、欧米などの諸外国ではそもそも新卒一括採用は行っていないので、3年以内離職率を算出すべはありません。つまり、比較対象が全くない状態でいたずらに30%を高い、低い判断するのは時期尚早ではないか、ということです。

 ということで、今回は3年以内退職率30%が実際には多いのか、それとも実は低いのか、それを考えていきたいと思います。最後までお付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

3年以内退職率

 まずは何か参考になるものはないかと探した結果、とりあえず、厚生労働省が公表している「新規学卒者の離職状況」のグラフを見てみることにしましょうか。

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 平成24年3月新規学校卒業者の離職率

 

 こうしてみると、中学から高校、大学になると離職率が下がっているのが分かりますね。やはり最終学歴が高いほどつける職がいいんですかね?実際、私の業界の下請けさんも高校卒業が最終学歴のことが多いので、そういうことなんでしょうかね。まあ、一概には何とも言えませんが、現在の日本ではそうなっています。要は学歴が高いほど、待遇が良い or 辞めにくい環境であると考えられますね。

 

 

 では次によく、ゆとりが別に根性なしってわけじゃねぇ!という根拠に使われる「学歴別卒業後3年以内離職率の推移」です。その中でも大学卒業生をピックアップしてみてみましょうか。

 

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学歴別卒業後3年以内離職率の推移

 

 ふーむ。まあ、昔より離職率は高くなってる?くらいのレベルですかね。平成の元年から5年までがっつり離職率が落ちているのはバブルの崩壊(1993年前後)が影響しているようですね。

 そこからは徐々に離職率は高くなり平成19年から再び低下し、平成21年に平成7年以降初めて30%を割っていますね。この時期は所謂リーマンショックで私の同期もその煽りで就職しにくい状況だったので、私もよく覚えています。

 以上の二つを踏まえると、経済が安定しているときは自分の待遇改善やより良い環境の職場探しを求めて離職する人が増え、経済が不安定になったり低迷すると、現在の状況を保持しようと、離職する人が減るようですね。

 ある意味当然と言えば当然ですが、そう考えると、昭和62年当たりって結構違和感があるんですよね。この感じだと昭和62年以前も爆発的に離職率が増減したとは考えにくく(その前のデータかないため憶測にすぎないが)、バブルで経済が良い時にも関わらず、より良い環境を求めて離職し、転職を考えていないんですよね。

 恐らくは終身雇用制の崩壊やリストラ社会になったことによる労働者の会社に対する意識の変化、転職がやりやすくなった等が原因だと考えられますが、これは別の話になりそうなので、ここでは割愛させていただきます。

 

 

 さて、周囲で言っている下馬評より、個人的には離職率が高い印象ですが、やはりもっと長期的に昭和40年代くらいまでのデータが欲しいですね。その頃は就職状況の不安定化なんて視野に入っておらず、調べなかったんでしょうかね?まあ、ないものは仕方がないですので、別の視点から考えていきます。

 

 

 離職率が高い場合と低い場合を考える

 さて、離職率はある程度推移していて、この20年前後では30%前後を推移しているのがわかりました。次にこの30%が実際に低いのか、それとも高いのかを考えていきたいと思います。そのためのモデルとして、離職率が限りなく100%に近い状況と0%の近い状況について考えていきたいと思います。極端な例に見えるかもしれませんが、どちらかに近づいた場合、どんな弊害があるかを考えるのは一つの参照になるかと思い、このような手法で考えていきます。

 

 

3年以内離職率が100%に近い状況

 まずは、3年以内離職率が限りなく100%に近い状況について考えていきたいと思います。これは言い換えれば、大学卒業後に初めて就職した企業からほとんど全ての人が退職し、転職もしく失業状態になるということです。なんかこの前提の時点で怪しさMAXですね。欧米などでは自身のキャリアアップのために転職をしていくのが一般的であるとされていますが、製造業などの一部業界では定年退職までとどまることが多いようなので、この形になるのは欧米の状況でも難しいんじゃないかと思います。つまり、異質です。

 こんな状況が成立する状況は、失業者が溢れ返っている大恐慌か、はたまた国家がそのような雇用形態を推奨しているか、独裁国家とかでやろうと思えばできる社会体制なのでしょうかね?(やれたとしても非効率そうだけど)どのみちあまりよくない状況ですね。

 これはいい状況ではありませんね。では次に逆のパターン、0%に近い状況について考えていきたいと思います。

 

 

3年以内離職率が0%に近い状況

 うって変わって3年以内離職率が限りなく0%に近い状況ですね。これは日本では理想に近い数値としていますが、さて、真相は如何に…。

 一見すると就職した人が3年以上続けられる就職状況のように見えますが、見方を変えれば、3年続けないと退職が許されない拡張版の日本、となっています。すべての会社が良心的ならいいのですが、そんなことはないでしょうし。また、人間関係なんかはその個人の相性に左右されるので、悪い人間関係を引きずったまま3年過ごさなければならないという生き地獄も考えられますね。

 こんな状況が成立する状況はというと、これも上記と同じく国家による強制しかありえないと思いますね。企業と学生のミスマッチを限りなく0に近づけることができれば実現できるかもしれませんが、机上の空論な気がします。学生側では自己分析、やりたい職業、就職時の嘘や誇張。企業側では求人の嘘、社風・社訓の伝えにくさ等、ミスマッチが生じる原因を考えていけばそれを全部つぶすのは現実的ではありません。

 

 

 以上が3年以内離職率が100% or 0%の状況です。さて、これらを踏まえた上で30%は果たして多いのかを考えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

3年以内離職率30%は多いのか?

 ようやく本題に入っていきたいと思います。さて、二つのモデルから考えてみるに、30%という数字は決して高い数字ではない気がします、むしろ自然的な数字だと思いますね。今の30%が10%とかになったら、どちらかというと社会情勢が不安定で辞めるに辞められない状況と考えられますし、これが80%とかになってくると、転職が一般的になったというよりはブラック企業などにつかまり、辞めざるを得ない or 体を壊して退職という状況が考えられます。

 政府や世間が言うように30%より低い数字を欲するなら、前述の通り、ミスマッチを減らすことに加えて、経済の安定化が必須となり、それらを現在の日本で達成するのは難しいと思います。また、労働者の意識も会社依存より、会社に切られても大丈夫なようにスキルアップを求めるようになっていることから、スキルアップの望めない会社を中心に退職者が一定数出てくると思います。

 これらの状況を踏まえると、30%とという数字は決して不自然な数字ではなく、超自然的な数字であると思います。

 

 

総評

 総評としては、世間一般的に言われる離職率30%は別段特に高い数値ではないと思います。むしろ前述の通り、低すぎたり、逆に高すぎるとそれは問題になると思います。別段20~40%くらいの変動だったらまだ許容の範囲内だと思います。

 世間一般的に流れている30%が多いという風潮、実のところ新卒が会社を早期退職するのを抑止するための、ある種の情報操作な気がしてなりません。この早期離職率に問わず、何らかの数字が公表され、それが高い低いで何らかの評価がされているものは、本当にそれが高いのか、それとも低いのか、そしてそれに対する評価が本当に正当なものかはよく考えなければならない気がします。

 

 

 さて、今回はこんなところでしょうかね。いろいろと新卒の早期退職について、うだうだと考えていきました。自分もいずれは早期退職者に身を落とし、この数字を底上げするのに貢献する身です。偉そうなことはべらべらと言えませんが、ただ、この数字とそれに対する評価を鵜呑みにするのは危険かな?とは思いますね。

 

 では、今回はこんなところで、次回まで、さよなら!